【コーヒーとの出会い】
カフェ好きの妻とデートをしていたある日、国道沿いのカフェに目が止まった。
壁が真っ赤。なんだか怪しい。気になる。でもなんだかいい雰囲気。
勇気を出して入ってコーヒーを飲んでみると、これがびっくりするくらい美味しい。
今まで思っていたコーヒー「苦い黒いお湯」という概念がひっくり返った。
普段コーヒーは苦くて飲まない妻(それでいてカフェが好きってどゆこと!)も、ここのなら美味しいと
言って飲みきったのだ。理知的で優しい感じなのになんだか隙もある不思議な雰囲気を持つ店主と、
珈琲の話でひたすら盛り上がった。
これがCafé Hinoの珈琲との出会い。
この店と珈琲、なんか奥が深くて面白いぞ、そう思って何度か通って話を聞いているうちに
「この店主はもしかしたらすごい珈琲変態なのかもしれない。いや絶対にそうだ」と確信するようになった。
【『コーヒーの変態』Café Hino店主 平野氏】
Café Hinoの店主平野一政氏は生粋の珈琲変態である。
そう言い切る点は枚挙にいとまがないのだが、いくつかだけ紹介したい。
①テクニックが仙人
彼の淹れる珈琲は、冷めてからが甘い。熱いうちは苦さやエグさがわかりづらいので素人でも腕を誤魔化せる。
しかし冷めた時に本当においしく淹れたかどうかがわかる。冷めれば冷めるほど、彼の珈琲は口当たりが柔らかく、
味は丸く、コクがあり、キレがはっきりするのだ。それでいて産地の特徴は決して失われていない。
またお客さんの意向を聞いて、コクの強さや、苦味などをその人の好みに淹れるのだ。
それだけではなく、香りを淹れたての瞬間に華やかに出すか、冷めてからしっかり出るようにするかを淹れ分けたり、
エチオピアの珈琲をまるでブラジルのような味にしたりする。
もちろん、圧倒的知識と好奇心と練習量に基づいているのは間違いない。
練習しすぎるので、売る豆の量が少なくなることが多々あり「何やってるんですか!税務署に目つけられますよ!」と
会計士に定期的に怒られているのは誰にでも想像できるだろう。
②こだわり度が頭おかしい
「美味しい珈琲を淹れるにはまず強烈なビジョンが必要なんだ」と平野氏。
こだわり抜かれた農園のスペシャルティー珈琲が人気の昨今、その豆を仕入れてもなお自分の目に叶った豆だけを
そこからピックアップするので、時には30〜40%を廃棄してしまうのだ。だから、会計士に怒られるんだってば。
そのくせみんなが飲める値段でと提供している。すなわち、儲け度外視。
頭おかしい。本当にありがとう。
美味しい珈琲のことを普段から考えているので、夢に豆のキャラクターが出てきて会話するそうだ。
やっぱ頭おかしい。
③目利きが異常
通常、店側が業者に対して「いい豆は入りましたか?」と聞くところを、業者の方が逆に聞きにくるのだ。
実は、彼、あちこちの業者の倉庫に入り込み、めぼしい気になる豆を色々持ち帰り、次から次へと焙煎しては
チェックする(もちろん許可を受けて)。
その中で彼の目に適ったものを発注するのだが、驚くなかれ、彼が発見する豆は次の年にものすごく値上がりするのだ。
そら業者も聞きにくるわけだ。そして、高くなるので、彼自身がその豆を買えなくなるっていうアホアホスパイラル発動。
目利き能力の使い方を間違ってますよ、師匠。
【平野式コーヒーの魅力】
知人Café Hinoの豆をプレゼントすると、共通して言われるのが「薫りがすごく広がって優しく美味しい。」
珈琲好きであればあるほどそう言われるのだ。
嬉しくなって「そりゃ変態が焙煎してるんですもの」と必ず答えることにしている。
実は、彼の珈琲豆の特徴の一つは、焙煎方法にある。
「当たり前と思うものを本当にそうなのか確かめる必要がある」と平野氏。
通説と言われているものを一度リセットして、焙煎方式を一からやり直してみて独自で見出した方法。
イメージは「牛肉を焼くように」。彼を知る珈琲界隈では「平野式」と呼んでいるそうだ。
ホントニアナタハカワッテルネという意味が込められていると推測される。
温度の推移を秒刻みでチェックし、目指している味をまさに秒の違いで求め続ける。
ちょっとでも気づきがあると焙煎のアプローチを変え、より豆の可能性を出すようにする。
そこまで繊細な作業なので、一度に焼く量も1,000gまで。
手間も時間もかかるその作業の大変さを聞くと「いろんな豆を色々な方法で焼けるんで、少なく焼けるほうが
この上もなく楽しいんです」とのこと。
どこかネジが飛んでいる←褒め言葉
今回「牧師のモノ売り」のためだけの限定ブレンドを発表。このサイトからのみ購入可能。
内越つよしの好きなエチオピアを中心にして、初心者にも飲みやすいようにと考えられた後味スッキリブレンドです。
もちろん、厳選されたスペシャルティの農園指定モノの豆。
100gパック、もしくは手軽に飲みやすいドリップパック2個入りをご用意しました。
どちらも82℃のお湯で淹れるのがちょうどいい。
(注:)できるだけ新鮮な豆をお届けしたいので、注文を受けてから焙煎を始めすぐに発送します。
お手元に届くまで少々時間がかかるかもしれません。ご了承ください。
1 0 0 g パ ッ ク
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ドリップパック
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【ウチコシツヨシとコーヒーとキリスト教】
ここからはちょっとコアなお話。
コーヒーを淹れることと、聖書の教える人生の
ヒントとの「共通点」です。
興味がある方は、ぜひ続けて読んでみてください。
とりあえず、思いつくままに箇条書きに書き出しました。
①可能性を最大限に引き出していくプロセス
・素材を最大限に活かす
・人を導くのも、突出しているものを押さえたり消すのではなく、引き出すこと。
Educationはもともとはeduce(引き出す)からきている。
②遊びの重要性
・「ポットの先のお湯で豆と一緒にダンスするんです。遊びですね」と平野氏
・遊ぶことの大切さは聖書の大事なポイントの一つ。
③経験値を積む
・失敗することの大切さ。積み重ねていくことで上手になっていく
・人生も、失敗しない生き方ではなく、失敗から学ぶ生き方が尊い
・聖書は、失敗した人に対して神様がどうしてくれたかが書かれている書物
④目に見えないもの(本質)の重要性
・目先の湯量や豆の盛り上がりだけをみて淹れるのではない。
あくまでもそれは目安であって、豆がお湯に触れてどんな状態になっているのか?という奥にあるストーリーを見ること。
だから、小手先で師匠の見様見真似で珈琲を淹れても全然味が違うのだ。
・人生も表面的なものではなく、その内側が重要で、そこを扱うのが聖書。
本当に大事な変わらないものという本質を見極めていくこと。
・本当に大切なものは、目に見えないのだ。
愛、信頼、平安、誠実、絆、、、
⑤「他のコーヒー屋を飲みにいけ」
・平野氏いわく「どんなコーヒーからでも学ぶことはある。その中に旨味が必ずある。
それを見つけることが珈琲を楽しむことであり、美味しい珈琲を淹れる秘訣だ」
・神様の凄さを知るヒントは、生活の中のどこにでもある。そこから学ぶことこそが本当のクリスチャンだと。
美味しいクリスチャン生活がそこにある。クリスチャンというと、教会の奥に入りオタク的何やら怪しげなこだわり集団
イメージがあるが、実はそうではない。
⑥理想のないコーヒーはダラけた味になる
・本当に美味しい珈琲を知ること。それを忘れず、強烈なビジョンを持って追い求めていくこと。
それがなければ、美味さをどんどん妥協していく。しまいには、自分がどんな珈琲を提供したいのかすらわからなくなる。
・「ビジョンのない人々はたるむ」という聖書の言葉はまさに。人生も同じ。
・人の救いのために決してビジョンを妥協されなかったのでキリストは今も人々の心の糧になっているのだ。
⑦「力を抜いて、力を入れていないところに力を入れる」
・こんな味にしてやろうと思うと美味しくなくなる。あくまでも豆のそのままを自然に受け止めながら抽出する。
豆のノリがいい日、悪い日、晴れ雨、気温湿度、さまざまな状況の中で、無理を言っても無茶はさせない豆へのアプローチ。
・人を幸せの生き方へ導くのも、こんな人にしてやろうと思った途端にうまくいかなくなる。
「裁いてはいけません。裁かれないためです」。絶対的な原則の上に乗りつつ、そのままの状態を拒絶せず受け入れていく
時に、どう導いたらいいのかが初めて見えてくる。
⑧ 学び続けること
・牧師は教える立場であるが、用いられる牧師になればなるほど教えてもらうチャンスが少なくなる。
一個の人間になり、素に戻って教えてもらうことの大切さを忘れたくない。